About hildegard
ヒルデガルトについて
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
(Hildegard von Bingen 1098年 - 1179年)
ドイツのベネディクト会修道女、神秘家、作曲家、哲学者、自然学者、作家として中世ヨーロッパにおいて非常に大きな影響力のあった女性です。
彼女は宗教的なビジョン、音楽、自然哲学、医学の分野で顕著な業績を残したこと、そして多才な才能と深い知識の持ち主であったことから「ライン川のシビュラ(巫女)」とも呼ばれました。
宗教的ビジョンと神秘主義
ヒルデガルトは幼い頃から神秘的なビジョンを経験しており、それが彼女の宗教的な生涯を形作りました。
1141年、43歳の時に大規模なビジョンを受けたのをきっかけに、その内容を神からの啓示と信じて書き留めることを決意し、著作活動を開始した彼女は、まず初めに『道を知れ』(Scivias)という神学的な著作を発表します。この作品は彼女の著作の中でもっともよく知られたものであり、幻視体験と神からのメッセージが克明に描かれています。
医学と自然学
ヒルデガルトは、医学や植物学に関する知識も豊富で、彼女の著作『フィジカ』(Physica)や『原因と結果』(Causae et Curae)では、植物、鉱物の薬効や治療法が詳細に記されています。
彼女は、病気は体内のバランスの乱れや自然との調和の欠如によって引き起こされると考え、食事、薬草療法、自然治癒力の重要性を強調しました。
彼女のこの考え方と上記の2著作はヨーロッパ伝統医学の基礎を形作ったものであり、同時に現代のホリスティックな医療の先駆けとも言うことができます。
音楽
ヒルデガルトは作曲家としても知られ、中世において画期的な存在でした。多くの宗教音楽を作曲し、その作品は今もなお演奏されています。
彼女の音楽は、グレゴリオ聖歌に影響を受けたものでありながら、独自のメロディーと詩的な歌詞が特徴です。代表作には、聖母マリアへの賛美歌や聖なる儀式のための音楽があります。特に『諸徳目の秩序』(Ordo Virtutum)という宗教劇は、彼女の音楽的な創造性の頂点を示すものです。
哲学と著作活動
彼女は宗教や神学の問題にとどまらず、自然哲学、宇宙論、倫理学の分野でも執筆活動を展開しました。その哲学的な著作は、神と人間の関係、宇宙の秩序、そして人間の魂の運命に焦点を当てています。
彼女はすべての被造物が神の秩序の一部であり、自然と人間は神によって統べられた関係性の中に置かれていると強く信じていました。
影響と評価
彼女の影響力は中世のキリスト教社会にとどまらず、後世の多くの分野にまで及びました。特に現代においては、彼女の音楽や医学的知識、環境問題への洞察が再評価され、女性神学者や芸術家、思想家の先駆者として称賛されています。
2012年、ローマ教皇ベネディクト16世によってカトリック教会の「教会博士」に列せられ、その信仰と知識の深さが改めて認められました。
ヒルデガルトは、宗教と哲学、芸術と自然学を体現した存在であり、彼女の多面的な才能と知識は現代においても重要な学びを提供し続けています。
ユーラ社について
ボーデン湖畔の古都コンスタンツ市を本拠とするユーラ社は1925年創業の歴史ある企業です。
創業から一貫して化学製薬業界に対する代替手段として、自然由来の医薬品、化粧品、食品を製造し提供してきました。
1960年ヒルデガルトの研究者であるゴットフリート・ヘルツカ博士が科学顧問に就任し、ヒルデガルト医学を元に処方された医薬品、化粧品、食品の製造を開始しました。ヒルデガルトの処方を忠実に再現する唯一の製薬会社となり、その製品は規制の厳しさで知られるドイツ連邦医薬品医療機器庁の承認を得るまでになりました。
伝統、理念を守りながらその一方で最新の技術を導入し製品の品質向上に努めています。